2014年3月17日月曜日

専用線の種類にみる、Nシステム(ナンバー読取機)の機能・性能とは

Nシステムはナンバーを読み取る際に車両前部を撮影しているわけですが、その運転席・助手席の乗員の姿を含む車両前面の画像を取得・保存しているのかと言う疑問があります。以前、国賠訴訟を起こされた際(ブログ主は原告ではありませんよ)国は画像の保管はしていないと回答したそうです。

国がしていないと言うならしていないのかというとそうではないらしく、過去にとある野党政治家が不倫ドライブデートをメディアにスクープされた際、ネタは当局側からリークされたもので、その画像はなんとNシステムかAVI(旅行時間計測端末装置)で取得されたと言われていたからです。ちなみにその不倫ドライブデートについては詳細なルートまでリークされました。その為、東京都区部は言うに及ばず23区外や千葉など郊外であっても車両で走行するなら当局は、コース取りから不倫相手の肖像まで詳細な情報が取得出来るわけです。


本稿ではデータの転送に使われる専用線の種類から、画像取得の可能性について考察してみます。

まず国費で設置された(警察庁仕様)Nシステム端末を見てみますと、専用線はメタル(銅線)です。無論警察向けに提供される種類の専用線でしょう。仮に転送レートが128kbpsだとしても、読み取ったナンバーに時刻・進行方向等のデータを付加して転送する分には充分な帯域があります。

画像を転送するには充分でないとは思われますが、では低速専用線だから一切画像を転送出来ないのかというと必ずしもそうではありません。全通過車両の画像をリアルタイムに転送することは出来ないでしょうが、予めセンターより、マークしている画像取得対象(野党政治家等)となる車のナンバーを専用線の下り帯域で各端末に配信しておき、端末側でナンバーを読み取った際にその配信された“ターゲットリスト”と照合し、ヒットしたならば一時的に蓄積して、専用線の余りの帯域を利用して時間をかけて転送すれば、画像の取得は可能です。

また、端末側にある程度の容量のストレージ(記憶媒体)を導入しておけば、古いものから上書きする設定だとしても一定期間は画像を残すことが出来、それらをリモートで(専用線の下りでコマンドを送って)回収することは可能と思われます。ただこれはまた推測ですし、実装する際の手法を検討しているに過ぎませんのでご理解ください。


次に都道府県別に事情の異なる簡易型Nシステム端末について見てみます。

無論機種によって異なるのでしょうが、この類の機器は受注する都度、製造する際にメーカー側が提示する機能(オプション)を搭載したりしなかったりすると思われます。

例えば、カラーの動画を撮影して転送が出来る仕様を採用するのか、それともモノクロ静止画のみ取得できるナンバー読取機能だけの仕様を選択するか等。例え筐体が同じであっても、実装した機能・オプションは違う場合もあると思います。また外観から機能がある程度推測できる場合もあれば出来ない場合もあるかと思われます。

この画像の分は福岡県内のものなのですが、専用線は光ファイバーです。3本ケーブルが空中に張ってありますが中央の分です。一番上は電灯電力、下は機器間の渡りケーブルです。

この機種ちょっと人面相に見えなくもないですが、下の口に相当する部分がLEDの赤外線照射機、そして上部、向かって右の四角い部分は(他の写真で確認しましたが)内部に丸いものが見えますから、推定ですがカラーのビデオカメラのレンズ(最前面には赤外線を通さないフィルターが付いているかも)、左側が赤外線カメラの導入口前面すなわちナンバーを読むカメラかと思います。

他県では、山口のものはメタル線なのと、小型筐体のためおそらくこの機種はナンバーを読んでいるだけだろうと思うのですが(この画像に専用線は写っていません)。上部は見てのとおり赤外線LEDパネル、下部の右側は明らかにレンズ、左はなんでしょうね。この機種もひょっとすると右がカラーで左がIR(赤外線)かもしれませんが、もしそうだとすれば侮れませんね。
この点については都道府県別に事情が異なります。

では光ファイバーなら動画を転送しているのかとなりますが、鮮明なカラー動画およびモノクロ静止画(赤外線を照射して画像を取得するとモノクロになります)を転送しているケースもあれば、光ファイバーを採用している理由が、警察向けの統合IP網にNシステムのデータを通すためというケースもあると思われるのです。

ですから一概には言えませんが、画像の取得は充分に可能だろうと思われるのです。ただ可能・不可能の話と実際にやっているかどうかについては別の話ですけどね。

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